武漢での死者の半数が細菌性肺炎を併発。新型コロナウイルス肺炎の重症化予防には口腔ケアが大切
先週NHK「あさイチ」というTV番組の中で、鶴見大学歯学部の花田信弘教授(院長の母校・県立九州歯科大の先輩です)から「新型コロナウイルス肺炎の重症化予防には口腔ケアが重要」という内容の説明がありました。重症化のリスク因子として①ご高齢者、②糖尿病・高血圧・心疾患・がんなどの基礎疾患による免役の低下、③長期のタバコ喫煙習慣による肺の劣化などが挙げられていますが、それ以外に深刻な因子として ④お口の中が不潔な人の歯周病菌が血流にのって肺に達してしまったり、食べものや唾液と一緒に気管内に誤嚥してしまうことが挙げられます。これによって2次的な細菌性の肺炎を併発し重篤化してしまうわけです。イギリスの医学雑誌「ランセット」に掲載された論文に、武漢での死者の半数が細菌性肺炎を発症していたことや、治癒した生存者のうち99%には細菌性肺炎が認められなかったことが報告されています。以上のことから、新型コロナウイルス肺炎の重症化を防ぐには歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスを駆使した毎日のセルフケアの励行はもちろん、歯科医院での歯石除去やクリーニング(プロフェッショナルケア)を継続し、お口の中を常に清潔に保っておくことが非常に重要であることわかります。また気道内への誤嚥を防ぐために、舌や口の周りの筋肉の口腔体操や唾液腺マッサージを励行しておくことも大切です。 院長
2020年05月03日 10:02