コロナ禍による受診控えを控えましょう ー学校健診結果からー
昨年実施された学校健診後の児童・生徒の受診状況について、全国保険医団体連合会から調査結果が報告されました。それによると、一昨年に比べて必要な受診ができていない児童と生徒が歯科・眼科・耳鼻科・内科の全科で増加していることが明らかになりました。未受診率は一昨年に比べて各科で3.1%~7.8%の増加となっています。この原因としては昨春に実施された全国一斉休校のために学校健診が大幅に延期されたことが一因と考えられますが、大きな要因は医療機関の受診による新型コロナ感染への恐れから受診控えする児童・生徒そして保護者が増えたためと考えられます。受診控え以外の新型コロナによる影響についても、40.3%の学校が「影響があった」と回答しました。具体的には長期休校による運動不足が原因となって肥満の児童・生徒が増加したことや、同じく在宅時間が長くなったことでゲームやスマホ、S N Sに費やす時間が増えた結果、視力低下の児童・生徒が増加したことが挙げられています。歯科では要受診と判定された児童生徒のうち62.3%が未受診となっており、先述のとおりコロナ以前より未受診率が増加しています。またコロナウイルス感染拡大防止のために学校給食後の歯みがきの実施ができなくなったり、歯科指導の歯垢染色ができないといった声が養護教員から寄せられるなど、このままでは今後児童・生徒のむし歯や歯周疾患が増加していくことが危惧されます。
周知のとおりウイルス感染と肺炎の防止には歯と口腔を清潔に保つことが重要であり、受診控えはかえって自分の健康を損ねてしまいます。自分の身を守るために受診控えを控えましょう。 院長
2021年09月16日 16:24